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悠久なる北上川の流れが絶えざるがごとく、岩手中・高等学校も大正15年（1926）創立者三田義正先生によって開学以来すでに70星霜、今ここに創立70年の記念すべき年を迎え、70年誌を刊行するに至りましたことは、同窓生の皆様方はもとより、本校教職員、在校生一同、等しく喜びに堪えないところであります。 創立者三田義正先生の目指された、私学ならではの人材育成による国家社会への貢献の志は、初代学校長鈴木卓苗先生の示された「積慶・重嘩・養正」の校是として受け継がれ、質実剛健の気風を尊ぶ、石桜精神の体得者の育成は、今日なお変わることなく本校の教育目標の根幹となっているのであります。 時勢の変遷に伴い、昨今ややもすれば進学一辺倒に陥り、人間形成をなおざりにする傾向はつとに慎むべきことであり、関係当局による軌道修正が今やっと行なわれつつある中、本校は時の流れに沿いつつも、決して建学の志を見失うことなく、世に人材を送り出すことすでに一万人を超え、卒業生の方々が各界において活躍されているのを目の当たりにするとき、頼もしさ心強さとともに、70年の歴史の重みを痛切に感ぜざるを得ないのであります。 創立者の建学の主旨を具現するためには、中学校の充実を図り、かつてのような中高一貫教育の再現が必要であり、これが完成によって、ゆとりのある自由な学園生活の中から、それぞれの希望する道にふさわしい、人間教育を実施して参りたいと努力しているところであります。 このたび同窓生諸兄のご尽力により、70年誌を刊行できましたことは、誠に意義深いものであることは、言をまたないところであり、願わくはこの先輩諸兄の母校に寄せる熱き思いを、在校生後輩諸君がよく理解し、新たなる岩手中・高等学校の伝統づくりに全力を傾注することを望んで止まないところであります。 |
